「なめらかなカイギ」
オーガナイザー
森田真生(独立研究者)
オブザーバー
鈴木健(株式会社サルガッソー代表/東京大学総合文化研究科特任研究員)
概要:
この度、鈴木健さんの『なめらかな社会とその敵』が無事出版され、発売後数週間にも関わらず、すでに大きな反響を呼んでいます。『なめ敵』から伝わってくるのは「社会制度はこうあるべき」という高圧的なメッセージではなく「社会制度だって構成されたものなのだから、それを根本的につくりなおしてしまうことを、もっと自由に議論してみてもいいんじゃない?」というラディカルでありながら実に爽やかな提案です。
『なめ敵』が描き出してみせたのは、何かの答えではなく、あくまでひとつの問い、未だ問われたことのない刺激的なひとつの問いだったのではないでしょうか。著者もあとがきのなかで「本書が書き終わった感じがしない」と書いていますが、本書は、著者の立てた問いを読者がまた反復的に問い続ける、その過程の中にこそ生き続ける「永遠に未完の書」なのであり、読者は『なめ敵』を契機として問いを反復する中で、ひとりの著者として、この書の生成の場に、否応なく参加することになるのです。『なめ敵』は、完成された書物として消費されるのではなく、絶えず新たな著者の現れることを求めています。
そのような思いから、この度「なめらかなカイギ」を開催することにしました。簡単に言えば、著者の鈴木健さんを前にして『なめ敵』を語り合う会です。『なめ敵』を端緒として、読者がまた新たな問いを問う。問いから問いが生成するその現場において、読者と著者の境界は、なめらかに解消していくでしょう。そうして永遠に未完の書に、永遠の命を与えていく。そんなことが起こる実験の場になったら素敵だなと思っています。(森田真生)
●日程
3月15日(金)
●時間
開場 18:30
カイギ 19:00~21:00
●プログラム
「なめらかなカイギ」
1.『なめ敵』カイギ
森田真生の進行のもと、『なめ敵』を語り合います。参加者のみなさまからの発言を中心に進めます。カイギには鈴木健さんご本人もオブザーバーとして参加します。
2.サイン会(*当日会場で本を購入した方限定。)
3.懇親会
●参加人数
20名
●参加資格
1.『なめ敵』を読了していること
2.当日参加できること
3.3月10日までに『なめ敵』を読んだ感想、意見、批判、拡張、あるいはよりマクロな問題についての議論等を、ウェブ上(twitter,ブログ,youtube,書評サイト等)で外部に見える形で表現する(書評、批評、詩、歌、踊り、映像、音楽等)こと。
●応募方法
上記3.の事実について告知HPの申込フォームに連絡
●セレクション
鈴木健・森田真生により、選定。
[当選者の方には3月12日(火)にメールにてご連絡を差し上げます。]
選定方法:鈴木健・森田真生により、表現して頂いた素材を元に厳正な選定が行われます。
●場所
芸能花伝舎 1-1教室
〒160-0023
新宿区西新宿6-12-30
芸能花伝舎HP:http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/
会場アクセス:
東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅【出口2】より徒歩約6分
都営大江戸線「都庁前」駅【A5】より徒歩約7分
●プロフィール
鈴木健(すずきけん)
PICSY blog(鈴木健ブログ):http://blog.picsy.org/
株式会社サルガッソー代表取締役社長、東京大学総合文化研究科特任研究員。1975年生まれ。1998年慶応義塾大学理工学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。国際大学クローバル・コミュニケーション・センター主任研究員。東京財団仮想制度研究所フェローを経て、現在に至る。著書に『NAM生成』(太田出版2001年 共著)、『進化経済学のフロンティア』(日本評論社2004年 共著)、『究極の会議』(ソフトバンククリエイティブ2007年 単著)、『現れる存在』(NTT出版2012年 共訳書)などがある。専門は複雑系、自然哲学。
森田真生(もりた まさお)
公式ウェブサイト:http://choreographlife.jp/
1985年東京生まれ。2歳から10歳までの八年間をアメリカのシカゴで過ごす。2004年東京大学文科二類入学後、同大学工学部へ転身後卒業。2010年東京大学理学部数学科卒業。
「数学の演奏会」や「大人のための数学講座」「圏論セミナー」など、様々な実験的ワークショップを全国で開催。「思考を超えた制約の中に思考を投げ出す」ことをテーマに、現在は京都に拠点を構え、自然と「ともに-考える(com-putare)」、言葉の本来の意味での計算(computation)に支えられた数学ということを理論的、実践的に追求している。主な関心は圏論、計算論。
主催・運営:水王舎DOKSプロジェクト実行委員会
協力:勁草書房